病気が先か、就労が先か

 私は双極性障害当事者として、ちょっとしたピア活動をしています。その時に「病気が先」に来たパターンと「就労が先」に来たパターンで、就労に影響が出るのかもと思ったので、その点についてブログを書くことにしました。

 私は、自分自身も周りも双極性障害と気づかず、30代後半まで生きた人間です。何かがおかしいなと思いつつも、正社員薬局薬剤師を続けていました。そして、年々鬱症状がひどくなり、自殺未遂をして一度社会から退きました。その後、無事に社会復帰して、現在に至ります。現在は、正社員薬局薬剤師として、就労を続けています。私の場合は「就労が先」に来たパターンになります。

 自分が病気と思っていないと、働くことは当然なので、自然と働くために日常生活を工夫することになります。私はロスジェネ世代なので、働くことは当然で、今の世の中程働かないことに対して寛容ではありませんでした。もちろん、今でも、働かないことに対しての理解は浅いですが、昔は働かなくても許される範囲が狭かった印象があります。今は自分の体を壊してまで働かなくていいと考える人が増えてきたように思いますが、私が社会に出たときは「会社のために働くのは当たり前。弱い奴が悪い。代わりはいくらでも居る」というような風潮でした。特にロスジェネ世代は人口が多いので、使い捨てイメージだったと思います。私は薬剤師資格があったのでそこまでひどくはなかったですが、「代わりはいくらでも居る」とは思っています。そういう危機感があるからこそ、体調管理に励むという面もあると思います。

 自分が双極性障害とわかる前の自分の生活を思い出すと「よく頑張ってたよね」と、自分で自分が可哀想になります。早く気づきたかったです。仕事以外何もできないし、仕事がない時間はとことん寝ていたし、双極性障害のせいとも知らず自己否定感・自責感と共に過ごしていましたから、本当に辛い日々でした。当時は自分が病気という概念すらないので、何かがおかしいと思いつつも日々をこなすことに必死でした。

 今は自分自身も周りも、私が双極性障害と知っています。職場でも、普通に雑談で私の双極性障害のことを話す感じで、それなりの合理的配慮も受けられています(と、思う…)。双極性障害だから、と、自分で自分にしてあげることも多いです。診断がついて一番良いことは「悪いのは自分じゃない。病気のせいだ」と思えることでした。全部自分が悪いと思っていましたから。

 ピア活動をしていて、若い頃に診断され情報収集した当事者やご家族の話を聞いていると、双極性障害の悪いイメージが先行してしまって「働けないのではないか」「将来自立できないのではないか」という不安を感じることがあります。そういう時は「私、双極性障害当事者で正社員薬剤師として働いていますけど」と、言うようにしています。当事者の母親で涙するパターンもあり、「そのイメージ誰がつけたんだ」と、残念に思います。「双極性障害でも働ける」というイメージがあったのなら、その方はそこまで悩まなかったことになります。「病気が先」のパターンで、あまりよろしくないです。もちろん、どう頑張っても就労できない症状の重い方は居ます。

 診断が早いことは、早く病気と向き合うことができるという良い面もありますが、病気のイメージに捕われてしまうという悪い面もあります。そのイメージ、本当に正しいんでしょうか?何か事が起こって、精神的余裕がなくなり、視野が狭くなり、なかなか自分の考えから抜け出せないことはあります。でも、ふと立ち止まって、顔を上げて欲しいなと思います。自分が見えていること、考えていることなど、ほんの一部です。可能性は無限にあります。

 「病気が先」のパターンの方は、自分や世の中のイメージに惑わされず、自分がどう生きたいかよく考えて、そのように生きるためにどう工夫したら良いかを考えて欲しいなと思いました。現実的問題はありますが、知恵を絞って問題解決すれば良いことです。何事にも限界はあります。限界を知ったのなら、その限界の範囲で生きれば良いことだと、私は思います。

少し前に精神科診察待ち時間に散歩して撮影した風景
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投稿者: ハナ

40代双極性障害当事者女性です。冬季うつ体質です。調剤薬局薬剤師として正社員で働いています。よろしくお願いします。

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